僕らは奇跡でできている9話をみて~三富の感想~
今回の話でわたしが一番印象的だったのは、樫木先生が相河先生に「この場所じゃなかったら、学生たちの前で成功者のように振舞うことはできない。どうか消えてほしい」と言ったシーンだ。
相河先生は周りの人の理解がないと難しい人だと思う。見ている限り。
家ではおじいちゃんと山田さんが。
大学では鮫島教授が支えてくれている。
(もちろんもっと支えてくれている人はいるけど、主な理解者。)
樫木先生は「ここじゃないと、君は生きていけないじゃないか」と現実をがしっと突きつける。
綺麗事を言ってしまえば、どんな人でも理解できる人たちにわたしたちがならなければならない、と言えるだろう。今回わたしが言いたいことはそんなことじゃないし、ドラマが伝えたいこともそんなことじゃないと思う。
樫木先生の言っていることも一意見として、生きている人間として持ちうる当たり前の感情だ、ってことだ。
わたしは物語の最初から相河先生のことを知っている。そして相河先生がどんな幼少期を過ごして、どのようなバックグラウンドを持っているのかも(描かれている内容だけにはなるが)だいたい理解している。
たぶん、というかほぼ絶対樫木先生は相河先生のことを何も知らない。
理解してくれ、というにはあまりにも関係性が薄すぎる。
わたしが樫木先生の立場だったら、もしかしたら同じことを言っているかもしれない。
でも、でも、でも。
相河先生がそこで、そのように生きている、ということには盛大なリスペクトが必要だと思う。周りの人に恵まれていることも、支えてくれている人がいることも。
その場所で美しく咲いているじゃないか。
それは事実じゃないか。
そうしたらその世界をあなたがわざわざぶち壊す必要はあるのだろうか。
鮫島教授がいうように、樫木先生は何か別のことを重ねて、どこにもぶつけることの出来ない思いを抱えて、それを一番自分とは(今)逆の状態にいる相河先生にぶつけたのではないだろうか。
樫木先生の言うことは、すべてではないけれども間違っていない。ただ相河先生はいい人だし面白い人だから違う場所でも時間をかければなじめるし多くの人に支えられて上手くやっていけると思う。
きっと自分とは全く違う人を受け入れるということには、心の余裕が必要なのだ。
樫木先生はいろんなことで追い詰められているんだ。きっと。わたしたちは、相河先生のことは知っているが、樫木先生のことは知らない。だからわたしたちも樫木先生があんなことを言ったのはなぜなのか、を知らないまま樫木先生を否定することはできない。
来週樫木先生が何かを鮫島教授に話していたけれども。そしてどうやら相河先生はあの大学を去りそうだけれども。
今回何かの歯車が狂いだして、いや動き出して、とポジティブに言おう。動き出して、次の何かが始まる予感がする。みんなの心に落ち着きとそして平和な世界が取り戻されますようにと思いながら、次の火曜日を心待ちにしている。
今回水本先生との関係が近づいたように思えるけど、それは小さな嬉しさで、不器用な2人がすこーしずつすこーしずつ自分と相手を理解していくんだなあと優しい気持ちになって見ている。
(わたしは榮倉奈々ちゃんがものすごく好きなので、ドラマに出ていることがとっても嬉しい!)
そろそろドラマの変わり目の季節になってきた。最終話どう迎えるのかどのドラマも楽しみだ。
本日も読んでくださり、ありがとうございました。